5月 19 2026
遺産の承継において信託と遺言では、どちらが良いか 家族信託㉞
司法書士、橋本剛太です。
Q 信託契約で遺産の承継を決められるのですか?
A はい。家族信託には遺言代用機能というのがあります。「残余財産の帰属」という項目を作って契約書に記載することで、特定の人に特定の財産を帰属させることができます。事実上、遺言と同様の効果がありますので、信託契約では頻繁に使われています。
Q では遺言との違いはあるのでしょうか?
A はい、あります。遺言の場合は遺言者が単独で作ることができますが、信託は契約なので必ず委託者と受託者の両方が必要です。他にも、遺言は単独行為なので、単独で新たな遺言を作って変更することも可能ですが、信託契約を変更するためには双方の合意が必要です。あと家族に知らせたくない場合は、単独でできる遺言を選択するべきでしょう。
Q 遺言と比べて信託の特徴は何でしょうか?
A 信託では財産を明確にしていることです。信託契約では「金融資産として〇〇円を信託する」と特定する必要があるからです。しかし遺言の場合は「A銀行B支店の金融資産」のように記載することが多いです。理由は、利息が付いたり引き出したりして遺言書を書いた時とは金額が異なることが多いので、金額を特定しない方が都合がいいからです。
Q 信託と遺言が両方あった時は、どちらが優先されるのですか?
A 信託契約書と遺言書が両方存在した場合、どちらが優先されるのかというと、信託契約書に記載された財産については信託が優先されると考えられています。これは法律の大原則に「特別法は一般法に優先する」という考え方があるからです。詳しく説明すると、信託法は民法の特別法にあたり、遺言は民法の規定で、民法は一般法になります。












