7月 07 2026
遺産分割前の預貯金の相続
司法書士の橋本剛太がお答えします。
Q 故人の預貯金を遺産分割前に引き出すことはできますか?
A 以前はできると考えられていましたが、今は法律が改正されて変わりました。以前は、預貯金は名義人が亡くなったのと同時に法定相続人に分割されると考えられていました。この考え方だと遺産分割前でも相続人は銀行で法定相続分を引き出せることになります。しかし銀行の実務の対応は違っていたので、度々問題になっていました。
Q 遺産分割前に相続人が引き出しに来た時の銀行の対応は、どうなっていたのですか?
A 多くの場合で銀行は拒否していました。遺産分割がどうなるか分からない段階で引き出しに応じてしまうと、相続争いに銀行が巻き込まれる恐れがあるからです。そこで最高裁判所が調整するために判決を出しました。
Q 遺産分割前の預貯金の相続について最高裁は、どんな判決を出したのですか?
A 遺産分割前に預貯金が法定相続分で分割されるという考え方を否定しました。この最高裁判決により銀行の実務対応が肯定されて、遺産分割前には相続人の個別の引き出しには法的にも応じる必要が無くなりました。しかし、そうなると新たな問題が起こってきました。
Q 遺産分割前の預貯金の相続で、最高裁判決が出た後の問題とは何ですか?
A 葬儀費用などに充てるために、遺産分割前の預貯金の引き出しが必要な時に対応できないという問題です。そこで法律の改正が行われました。改正後は「法定相続分の3分の1まで、ただし150万円を超えない額」までは引き出しが認められるようになりました。
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