司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

2月 10th, 2016

2月 10 2016

残業代請求 解決事例

40代男性  勤め先 大手企業
未払い残業代 約30万円

相談に来られた時は、「上司との関係がうまくいかなくなって辞めた。辞めたからには、今までの残業代を取り戻したい」とのことでした。
実は、このような主張をされる方は、とても多くて、在職期間中はいろいろ文句はあっても我慢していたけれど、辞めることになった以上、もう遠慮はいらないと思われるようです。
会社は、愛知県の人なら知らない人はいないという大手の企業でした。

さすがに大手企業だけあって、証拠は充分でした。タイムカードも給料明細もきちんと全てそろっていました。金額も正確に出すことが出来ました(タイムカードがそろっていない場合は、推定計算をすることになるので、金額も最初は推定になります)。

早い段階で金額が確定しましたので、計算書を添付した催告書を会社に郵送しました。
すると、だいたい5日ほどで、会社の顧問弁護士から回答が来ました。大手企業の場合、顧問弁護士が付いている場合が多いので、残業代の請求をすると、顧問弁護士から回答が来ます。

回答の内容は、「表示された金額を支払いたいので、まずは和解契約書を交わして欲しい」というものです。
裁判をやらずに解決する場合は、お互いに和解契約書を交わしてから金額の支払いが行われるのが普通です。そうしないと、支払った後で、もめることがあるからです。契約書で条件を確認した上で記名押印して、お互いに1通ずつ持ち合います。顧問弁護士が付いている場合は、会社の書式があって、顧問弁護士が送ってくることが多いです。

催告書の金額に対しては減額交渉をしてくる企業が圧倒的に多いのですが、さすがは大手企業というか、証拠が完璧にそろっていることもあるのか、一切の減額交渉はありませんでした。司法書士からの請求というのも関係しているのでしょう。

送られてきた和解契約書を点検して、特に依頼人に不利になる規定が無いかを確認したら、記名押印して、1通返送します(1通は手元に残ります)。後は入金を待つだけです。

未払い残業代の請求で、和解契約書を交わした後に入金されなかったということは今のところありません。(貸金業相手の過払金返還請求だと、たまにあります)。今回の場合も、きっちり振り込まれました。

依頼を受けてから1カ月ちょっとで回収というスピード解決でした。相手が大手企業で証拠がそろっていたこと、金額がそれほど高額ではなかったことなどが早く解決した理由ではないかと思っています。