司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

2月 15th, 2016

2月 15 2016

残業代請求 解決事例③

20代男性 勤め先 中小企業
未払い残業代 約60万円

若い依頼人で、労働環境がハードだったので、勤めて2年以内で辞めています。タイムカードが無く、業務日報を大量に持ってきたのが印象に残っています。

業務日報には退勤時刻が書いてあり、毎回、上司が判を押す形になっていましたので、退勤時刻の証明としては充分でした。ただ出勤時刻を証明するものは何もありませんでした。

出勤時刻は定時の会社なら、それでも構わなかったのですが、残念ながらこの会社の場合、早出残業も常態化しており、定時が8時半のところ、毎日7時半出勤が当たり前だったようです。

いざ裁判になった場合、陳述書を書いてもらい、出勤時刻の証拠にしようと考えていました。陳述書とは、本人に出来るだけ詳しく具体的に、平均的な1日の仕事の流れなどを書いてもらう書類のことです。(詳しければ詳しいほど、裁判における証拠能力が高まります)

残業代の計算は、7時半出勤で全て計算しました。結果、約60万円の残業代となりましたので、催告書を作成して会社に郵送しました。

出勤時刻の証拠が弱かったので、争ってくるかなと思っていましたが、しばらく後に会社から電話があり、「和解したい」と言ってきました。

和解金額を依頼人に連絡すると、OKだったので、すぐに会社に連絡して和解成立となりました。依頼人も、タイムカードが無く業務日報だけだったので、裁判になる前に和解が出来るとは思っていなかったようで、喜んでいました。

タイムカードがそろっていなくても、スピード解決した良い例だと思