司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

2019年12月

12月 10 2019

上司のパワハラでうつ病になり働けなくなって破産するケース 自己破産(34)

うつ病により借金がふくらむのは良くある

最近よくみるのは、上司のパワハラにあい、うつ病になってしまい、会社を辞めることになって収入が減り、それで借金がふくらんでしまうというケースです。

このパターンは失業期間が長くなるので、借金の総額が大きくなる傾向があります。更に、失業しているので分割払いによる解決が難しいので、必然的に自己破産しか選択肢が無くなることになります。

自己破産は認められやすい傾向がある

このパターンは本人にとっては、とても深刻な話ですが、裁判所に自己破産を認めてもらう時には有利に働くことが多いです。

理由は、一つは医者にかかっていることが多いので、うつ病の診断書という証拠書類が手に入るということです。
他には、破産を認めないと自殺とかしかねないというリスクがありますので、裁判官も若干甘くなる傾向があるように私は思います。
病気によって働けなくなったのだから仕方が無いという理屈も、審査の時は有利に働く可能性が高いでしょう。

あきらめずに自己破産を考えよう

パワハラによるうつ病で仕事を辞めた場合、本人にとっては重大事件で、あまり何も考えたくないかもしれません。しかし、借金を放っておいても利息が増えていくばかりで状況は悪化していきます。

置かれている状況は確かに大変ですが、破産の審査が通常よりも通り易いということを前向きにとらえて、自己破産で借金を無くすことを考えてみましょう。

自己破産について、より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

自己破産

12月 10 2019

仮想通貨の価格が上がってしまって困ったケース 自己破産(33)

自己破産の場合、手続が2種類ある

自己破産の場合、同時廃止事件管財事件と大きく2種類の手続に分かれます。債務者の立場から見れば、だんぜん同時廃止事件の方が良いです。

まず、費用が違います。
同時廃止は裁判費用が2~3万円ですが、管財事件は20万~40万とケタが違います。
他にも破産管財人が、まるで税務署のように根掘り葉掘り色々なことを質問してきます。期間も管財事件の方が長いです。

同時廃止の基準は財産の額

債務者にとってメリットが多い同時廃止ですが、そのための基準は財産の額です。

裁判所によって微妙に異なりますが、だいたい40万円前後に設定していることが多いようです(名古屋地裁は40万です)。財産が多すぎると管財事件になってしまいますから、大変重要な問題です。

仮想通貨が値上がってしまった

私が依頼を受けた事例で、当初持っていた仮想通貨が予想以上に値上がってしまい困ったケースがあります。
具体的には30万ほど値上がりました。
すると財産が増えたことになり、当初予定していた同時廃止での申立てができなくなる可能性がでてきました。

財産を減らす必要がある

この場合、何とか財産を減らす方法を考えるのですが、もちろん浪費など認められません。これから自己破産する人の浪費を裁判所が認める訳がありません。

では方法がないかと言うと実は裏ワザがあります。
裁判所が文句を言わない減らし方があるのです。
仮想通貨の事例の場合も、この方法でほとんどの値上がり分を減らしました。

合法的に財産を減らす方法

まず、通常は分割で支払うことが多い自己破産の司法書士報酬を一括で支払ってもらいます。これならば破産の必要経費ですから裁判所は文句を言いません。

他にも、破産する人は各種税金や社会保険料などを滞納していることも多いので、それらの滞納金を一括で支払ってもらいます。これでだいぶ減るはずです。

それでも余る時は、壊れかけた生活必需品を買い替えるという方法があります。
冷蔵庫や洗濯機などがありますね。くれぐれも高額な高級品を買わないように気をつけましょう。

自己破産について、より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

自己破産

12月 06 2019

携帯電話を契約するための時効援用通知 時効(56)

昔の携帯料金が未払いのままだと新しい携帯が契約できない

最近の相談で、かなり昔に携帯料金の未払いがあって放置していたら請求が来なくなった(ガラケーの頃です)ので、放っておいた。しかし最近、同じ業者にスマホの契約に行ったら、「あなたは未払いの料金が残っているから契約できません」と言われてしまった。何とかならないか、という相談でした。

携帯料金も消費者金融やクレジットと同じで5年で時効になる

案外知られていませんが、実は携帯料金も5年間利用しないで支払いもしなかった場合、消滅時効の対象になります。

ただし貸金業者の時と同じく、放置したままでは未払いは消えません。正式な時効援用通知を出して初めて未払い状態が無くなります。

携帯の契約のために時効援用通知を出す

同じようなケースで携帯の契約を希望するなら、時効援用通知を出すのがオススメです。時効援用通知を出せば未払いではなくなりますので、契約ができるようになります。
他にも、携帯会社から過去の未払い料金を請求されていて、5年以上放置されているのなら、時効援用通知を出すことで請求を止めることができます。

消滅時効について、より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

消滅時効

12月 06 2019

事故情報(ブラックリスト)を消すための時効援用通知 時効(55)

事故情報(ブラックリスト)とは

返済が滞ったまま放置すると、信用情報機関に事故情報(ブラックリスト)として登録されます。登録されると、新たにカードを作ったり、ローンを組んだりした時に審査が通らなくなります。

たとえ請求が無くても事故情報は消えない

引っ越した後に放置し続けると、しばらくは請求が来なくなります。この状態でも事故情報は残ったままです。
放置している限り事故情報が消えることは無いので、カードやローンの審査が通らない状態がずっと続くことになります。

時効援用通知を送れば、送った業者の事故情報は消える

もし5年以上借入や返済が無いならば、時効になっている可能性が高いです。その場合、正式な時効援用通知を送ることで借金の支払義務が無くなります。

例え時効期間が経過していても、通知を送らない限り支払義務は残りますので注意が必要です。

正式な時効援用通知を送って支払義務が消えれば、業者は事故情報を取り消すことになり、他に滞納している業者がなければ、カードやローンの審査が通るようになります。

請求されていない業者への時効援用通知

通常は請求されてから、「どうにかしてくれ」、「時効で何とかならないか」という相談がほとんどです。しかし、たまに請求されていない業者に対して、「ローンを組みたいので事故情報を消したい。だから昔借りていたこの業者に時効援用通知を送って欲しい。」という相談があります。
時効での解決は、請求されている場合に限らない、ということですね。

消滅時効について、より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

消滅時効

12月 06 2019

引田法律事務所の「催告書」というハガキ 時効(54)

引田法律事務所から届く「催告書」というハガキとは

通常は封筒で届くことが多い引田法律事務所の請求書類ですが、たまにハガキで届くことがあります。
封筒の場合は、「通知書」とか「受任通知書」というタイトルが多いようですが、ハガキの場合は「催告書」となっているものが多いようです。

引田法律事務所の「催告書」の内容

この催告書の内容ですが、封筒で届く「通知書」や「受任通知書」とほとんど同じ内容です。

要約すると、
「今まで何度か請求したけれど、解決していない。このまま放置されるならば法的手段を検討せざるを得ない。法的手段を取った場合は、あなたの財産を差し押さえることになるかもしれない。そうならないためにも、下記の電話番号まで連絡して欲しい」
と、左ページがだいたいこんな内容です。

右ページには、請求されている借金の金額や日付の詳細が書かれています。

時効になっているかを見分けるポイント

右ページを良く見ると、「最終貸付年月日」と「支払いの催告に係る債権の弁済期」という項目があります。この日付が両方とも5年以上前ならば、消滅時効で解決できる可能性が高いと言えます。

時効になっていた場合の注意点

時効の可能性が高いようならば、決して業者に連絡してはいけません。

もし連絡して支払いの約束をしてしまったら、後で時効の主張が通らなくなる恐れがあるからです。
出来るだけ早くに時効に詳しい専門家に相談しましょう。

引田法律事務所について、より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

引田法律事務所

12月 03 2019

ニコス・クレディセゾン・アコム・SPサービスの任意整理 任意整理(28)

任意整理とは

任意整理は債務整理の方法の一つで、裁判所を通さずに司法書士や弁護士などの法律家が業者と分割払いの交渉をする借金解決法です。
メリットとしては、

  1. 裁判費用がかからない
  2. 必要書類が少ない
  3. 将来利息がカットされることが多い

という点があります。

任意整理が成功するための条件

任意整理はメリットが多い解決法ですが、成功するためにはいくつか条件があります。

一つは、分割払いにするので、債務者にある程度の収入が必要です。無職では難しいです。
二つ目は、交渉による解決なので、相手方の業者が長期間の分割払いを認める気が無い場合は成功しません。業者の方針に左右されるのです。

任意整理に協力的な業者とは

そうなると任意整理に協力してくれる業者はどこなのか、と気になってくると思います。一般的には、クレジット会社は協力的な業者が多いです。分割で払ってくれるのならば、破産されるよりマシという考え方の業者が多いという印象があります。

他には、債権を別の業者から買って請求している債権回収業者なども比較的、協力的な業者が多いと思います。債権回収業者はかなり安い価格で債権を買っているので、分割でも支払ってくれたら利益がでるビジネスモデルだからでしょう。

ニコス・クレディセゾン・アコム・SPサービスについて

つい最近、上記の4社について任意整理を行ったところ、4社とも非常に協力的で、極めて短期間に解決することが出来ました。わずか2ヶ月間で全ての業者と分割払いの和解契約を結ぶことができたのです。
(私の事務所の手続が通常の事務所よりも早いという部分もあるかもしれません。和解提案を出した時、
「こんなに早く提案書を出してくれる事務所は珍しいので、大変ありがたい」
と業者から感謝されてしまいました。)

三菱UFJニコスとクレディセゾンについてはクレジット会社なので、協力的なのは予想できます。アコムについては、消費者金融の中ではプロミス(現在はSMBCコンシューマーフィナンス)と並んで協力的な業者です。

SPサービスは債権回収業者ですが、クレジット会社と同じくらい協力的でした。
債務整理の方法は他にもあるので、任意整理にするかどうかの判断基準としては、協力的な業者かどうかは重要なポイントだと思います。

任意整理について、より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

任意整理