司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

11月 04 2016

パルティール債権回収株式会社

旧武富士からパルティール債権回収というサービサーに譲渡された貸金債権には注意が必要です。理由は、公示送達によって本人が知らない間に判決が取られているケースがあるからです。

通常、裁判の被告(貸金請求の場合は債務者)が引っ越しなどにより住所不明になった場合、そのままだと判決を取ることが出来ません。訴えられたことを被告に知らせない状態で裁判を進めることは原則、出来ない事になっているからです。

しかし、公示送達という方法を使うと、これが可能となってしまうのです。ある意味、これは恐ろしいことで、自分の全く知らない間に負け判決が裁判所で出されていることになります。

当然、裁判所も被告に対する影響が大きいことは承知しているので、公示送達を利用するには高いハードルを設けています。

それは何かというと、公示送達を利用する時は、住民票の住所に実際に手紙を送ってみて戻ってくることを証明したり、現地調査を行い表札などの写真を取って来て、そこに住んでいないことを確実に証明しなくてはなりません。

正直、結構な手間がかかるので、大量の貸金請求を抱えている貸金業者は通常、ここまではやりません。公示送達は、かなり珍しい手続なのです。

しかし、旧武富士の場合は事情が異なります。ご存知のように旧武富士は事実上倒産しました。倒産した場合、武富士には未回収の債権を積極的に取り立てる義務があるのです。何故なら、回収できる債権を持ったまま倒産すると、違法な行いになってしまうからです。ですから手間がかかっても、例外的に公示送達を行っている確率が高いのです。

従って、旧武富士からパルティール債権回収に渡った債権の場合は、本人に全く覚えが無くても、過去10年以内に判決を取られている可能性があり、時効援用通知を送っても時効では解決できない可能性がありますので注意が必要です。時効でなかった場合は、分割払いの交渉をすることになるでしょう。

また、パルティール債権回収は、困ったことに、債務者に送ってきた請求通知に、過去に判決を取っていることを書いてくれません。従って、時効援用通知を送る前に、判決の有無を確認するのが良いかもしれません。自分で電話するのが抵抗がある方は、専門家に頼むのが良いでしょう。もちろん、今回のブログに書いたような内容を経験的に知っている事務所に相談に行かれるべきだと思います。

実際に当事務所に来られた相談者の方も、全く裁判を起こされたことに身に覚えが無く、判決を取り寄せたところ、判決書の被告の住所には当時、住んでいなかったことが確認できました。公示送達によって判決を取られたことは、ほぼ間違いないでしょう。仕方がありませんので時効での解決はあきらめ、任意整理の分割払いの交渉と和解契約の締結をすることにより、解決しました。

9月 27 2016

借金の消滅時効期間は5年か10年か  時効(時効援用7)

借金の消滅時効期間は大きく分けて5年の場合と10年の場合があります。それぞれ、どのような場合に5年になり、10年になるのでしょうか。

まず、借りた側と貸した側の双方ともが個人の場合は、借金の消滅時効期間は10年となります。この「双方とも」というところがポイントです。

一方、借りた側または貸した側の、どちらか片方が会社または個人事業主だった場合、法律上、「商事債権」という扱いになり、消滅時効期間は5年に短縮されます。

では実務上はどうかと言うと、圧倒的に5年の場合が多いです。債務整理の相談で、貸した側が個人と言うケースはほとんどありません。大抵は、貸金業者から借りた借金の相談で占められています。貸金業者は会社か個人事業主ですから、結果的に5年ということになります。

しかし、事例としては少ないですが、10年になる場合もあります。例えば、以下のようなケースです。

(1)信用金庫から個人が借りた場合
最高裁昭和63年10月18日判決において、「信用金庫の行う業務は営利を目的とするものではないというべきであるから、信用金庫は商法上の商人には当たらないと解するのが相当である」と判示されており、これにより信用金庫は会社ではないとされています。したがって、会社ではない信用金庫が貸主である貸金の消滅時効期間は、10年になります。
ただし、信用金庫が貸主の場合であっても、会社か個人事業主が営業の為に借りた場合については、商事債権となりますので、時効期間は5年となります。
ちなみに一般の銀行については会社ですから、誰が借りても5年です。

(2)住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の住宅ローン
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)は、会社ではありませんので、住宅金融支援機構の住宅ローンの時効期間は、10年になります。

(3)信用保証協会の求償権(代わって請求する権利)
信用保証協会が主債務者に代わって債務の弁済をした場合、主債務者に対して求償権を取得することになります。そして、求償債権の消滅時効は、信用保証協会が代位弁済をした時点から進行します。
信用保証協会は会社ではありません(最高裁昭和60年2月12日判決)ので、信用保証協会の求償権の時効期間は、通常の債権の時間と同様に10年となります。ただし、信用保証協会が、商人である主債務者(たとえば、個人事業者など)の委託に基づいて保証したときは、求償権は商事債権となり(最高裁昭42年10月6日判決)、時効期間は5年となります。
現実には、委託に基づいて保証しているケースが多いので、5年になることが多いです。
ちなみに、民間の保証会社が保証している場合は、会社ですから当然に5年になります。

7月 20 2016

和歌山訴訟 最高裁判決について

平成28年6月27日に司法書士の代理権の範囲についての裁判として注目されていた通称「和歌山訴訟」の最高裁判決が示されました。このブログでも以前、和歌山訴訟について取り上げていたこともあり、今回、最高裁判決の内容と私なりの意見を書いてみたいと思います。

まず、最高裁判決の内容ですが、一部の報道では一方的な司法書士側の負け判決であるかのように報じられているようですが、判決を詳しく読めば司法書士と弁護士の主張のバランスを取った内容で、一勝一敗の引き分けというのが客観的な見方だと思います。(何故、司法書士敗訴のような報道が目立つのか不思議です。メディアに登場するのが弁護士が多いのが原因なんでしょうかね)

まず争われていたポイントを整理してみましょう。争点は二つです。(前提知識として、司法書士の代理権の範囲は140万円以内というのを覚えておいて下さい)

一つ目の争点は、債務整理事件について、総額説と個別額説のどちらを採用すべきかという問題です。

例えば、依頼人が3社に対して、それぞれ50万円ずつの債務を負っていた場合、あるいは50万円ずつの過払金を請求する場合を考えてみましょう。総額説では3社合計の150万円の事件だから140万円を超えているため司法書士は代理できないという主張です。
一方、個別額説では3社はそれぞれが独立した事件と考え、1事件が50万円で140万円以内なので3社とも司法書士は代理できるという主張です。

二つ目の争点は、債権者主張額説と受益額説のどちらを採用すべきかという問題です。

例えば、依頼人が200万円の債務を負っていて、司法書士が間に入って交渉して80万円の債務に減額した場合を考えてみましょう。債権者主張額説では、債権者が請求する200万円を基準として判断するので140万円を超えているため司法書士は代理できないという主張です。
一方、受益額説では依頼人の経済的利益を考え、この場合、依頼人は200万円の債務が80万円に減ったのだから120万円の利益を得たと考えます。そこで依頼人の利益120万円を基準として判断するので140万円以内であり、司法書士は代理できると言う主張です。

二つの争点を明らかにしたところで最高裁の判断は以下のとおりです。

まず一つ目の争点については、個別額説を採用しました。従って、この争点に関しては司法書士側の勝利となっています。

続いて二つ目の争点については、債権者主張額説を採用しました。従って、この争点に関しては司法書士側の敗訴と言えるでしょう。

客観的に見る限り、これは引き分けだと思うのが普通の感覚だと思いますが(最高裁も、どちらかを一方的に勝たせたくなかったのかなとも推測できます)、繰り返しになりますが、「司法書士が負け」のようなイメージの報道が目立ちました。これはフェアではないと思いますね。

以上が客観的な事実関係です。ここから先は司法書士としての私の意見となります。

まず、この判決が実務に与える影響ですが、正直なところ、ほとんどありません。この点は、まるで実務に大きな影響を与えるかのような報道が一部にありましたが、全く現場の感覚とずれています。同僚の司法書士と、この話をしても、心配している司法書士は私の知る限りいませんでした。

何故なら、司法書士が負けた争点である債権者主張額説が登場する実務の現場というのは非常に少ないからです。実際の実務の現場では、多くの貸金業者が債権者主張額説を以前から主張していて、それらの業者では任意交渉の場では債権者主張額説に沿った和解しか認めていなかったという現実があります。従って、受益額説に沿った和解が結べるケースというのは現実には極めて少ないのが実情でした。だから実務的には今までと、ほとんど変わらないと言う認識です。

一方、もう一つの争点である個別額説ですが、もしこの争点で司法書士が負けていれば、実務に甚大な影響が出たのは間違いありません。債務整理に係わるほぼ全ての司法書士が個別額説に基づき実務をしており、争点に係わる事件数も多いので、まさに現場は大混乱に陥ったことでしょう。従って、こちらの争点で勝ったことの意味は非常に大きく、「客観的に見れば引き分けだが、現場の感覚では司法書士の勝利だ」と言う司法書士もいるほどです。

最後にネットなどに挙げられている、このような意見に対する個人的な反論をしてみたいと思います。たまにネットに以下のような意見が見られます。
「司法書士が勝手に解釈していた主張が、今回否定された。当然だ」というものです。
これは、司法書士が負けた受益額説に対しての意見だと思われますが、はっきりと主張しておきますが、受益額説は「司法書士が勝手に解釈していた主張」などでは決してありません。ちゃんと証拠もあります。
テイハンという出版社が発行している「注釈 司法書士法」という書籍がその証拠です。この書籍の作者は、司法書士の代理権の範囲を定めた司法書士法の法案の作成に係わった法務省民事局の官僚です。いわば法案の立案担当者であり、立法趣旨(どのような趣旨で法案を作成したか)を誰よりも良く知っている人物です。その書籍の97頁に以下のような記述が出てきます。
「債務整理事件について、司法書士が裁判外の和解について代理することが出来る範囲は、債務弁済調停事件や特定調停事件における代理権の範囲と同様の基準によって判断する。従って、「紛争の目的の価額」の算定には、残債務の額ではなく、弁済計画の変更によって債務者が受ける経済的利益による。」

実は、上記の書籍は有力な証拠として裁判に提出されています。従って、受益額説は立法担当者の意思だったということであり、今回の最高裁判決は法務省民事局の立法担当者の意思に逆らって(立法趣旨に逆らって)出された異例のものであるということが分かってきます。
しかも、実際の裁判所の運用でも、例えば私の地元の名古屋簡裁の特定調停の受付では、受益額説により申立を受け付けていました(今回の判決により変更されるでしょう)。これは、裁判所の担当者レベルでも、受益額説を採用していた何よりの証拠です。

個別額説と総額説の争いで総額説を採用した場合、現場の実務で大混乱が起こることは容易に想像できます。個別額説で実際に行われた裁判の件数が、ものすごい数になるからです(特に過払金請求訴訟)。当然、裁判所を総括している最高裁はそのことを分かっているでしょうから、この件で総額説は採用しづらいでしょう。だからと言って、もう一つの争点である、債権者主張額説と受益額説でも、立法担当者の意思が受益額説であると明確に示された書籍が出版されています。普通に考えたら、二つともが司法書士側の勝利になっても全くおかしくない裁判だったと個人的には思っています。しかし、最高裁は弁護士側の面子も考えたのではないでしょうか。最高裁まで上がってきた裁判で両方とも負けてしまっては弁護士側の面子は丸つぶれでしょう。まあ、あまり思いたくはないですが、裁判官と弁護士は同じ司法試験を通ってきて、同じ司法修習所で研修を受けてきた仲間です。このことが全く影響しなかったと考えるのは少数派ではないでしょうか。

6月 28 2016

以下の業者の相談は特に多いです  時効(時効援用6)

当事務所は、たくさんの業者に関する時効の相談を受けていますが、特に以下の業者から請求を受けたという相談が多くなっています。

ギルド
アビリオ債権回収
オリンポス債権回収
札幌債権回収
ニッテレ債権回収
子浩法律事務所
アコム
アイフル
SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)
新生フィナンシャル(旧レイク)

相談が多いということは、上記の業者は時効期間が経過した後でも、しつこく請求してくる確率が高い業者である、ということになります。

上記の業者に関しては、当事務所は特に実績が豊富です。請求を受けて気になった方は、まずは連絡して下さい。

あと、「借りた覚えが無いので架空請求ではないか」という質問が、たまにありますが、当事務所では架空請求かどうかの判断は致しません。あくまで実際に過去に借りたことがあるという前提で、ご相談を受けさせて頂きます。何故なら、架空請求かどうかは本人にしか分からない情報であって、事務所では調査の方法が無いからです。それでもし、架空請求だと考えて放置してしまった場合、後で裁判等を起こされた時に、取り返しがつかない結果をまねく恐れがあります。

特に、このブログの冒頭に書かせて頂いたような業者からの請求の場合、当事務所の経験上、架空請求である可能性は非常に低いです。債権譲渡や代行回収など、何らかの方法で元の債権者とは名前が違ってはいても、過去に借りていたケースがほとんどです。これらの業者からの請求の場合は、放置するのは危険と言えるでしょう。

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当事務所は時効による解決に早くから積極的に取り組んでいます。開業は平成15年、今年で13年目となります。
最終取引日より5年が経過している場合、時効により解決できる可能性が非常に高いです。当てはまる方は、経験豊富な当事務所にご相談下さい。

6月 27 2016

時効援用した場合、信用情報はどうなるのか  時効(時効援用5)

上記の質問は良く聞かれます。「いつローンを組むことになるか分からないので、自分の信用情報は出来るだけ、きれいにしておきたい」、これは誰もが願うことでしょう。結論から申し上げると、時効援用をして、信用情報が債務者にとってプラスに働くことはあっても、マイナスになることはありません。ですから、信用情報を気にされる方なら、例え未だ請求が来ていない債権者があったとしても、最後の取引から5年以上が経過しているなら、時効援用をするべきだと言えます。

何故なら、時効援用をしないで放置しておくと、信用情報は「延滞」がずっと続いてしまい、いわゆるネガティブ情報として残っていきます。この状態でクレジットカードの新規発行や、新規のローンの申請をした場合、審査が通らない可能性が高いでしょう。

信用情報機関で主要なものとしては、現在はJICCとCICがあげられます。JICCは消費者金融系、CICはクレジット系の信用情報機関ですが、大手の消費者金融などは両方に加盟しているところが多いです。

司法書士が時効援用して時効が成立していた場合、JICCならば「ファイルごと削除」または「完済」というポジィティブ情報に変わります。

CICの場合は、各業者の情報の上げ方にもよりますが、「契約終了」か「貸し倒れ」になることが多いです。仮に「貸し倒れ」とされた場合でも5年で消えます。もし、時効援用をしなかった場合は、ずっと「延滞」というネガティブ情報が残りますので、それよりは良いと言えるでしょう。

引越等をして債権者からの請求が止まっていると、「このまま何もしないで放置しておこう」という気持ちが出てきます。しかし、その間にも信用情報機関には、あなたのネガティブ情報は残り続けているのです。例え最後の取引から5年以上経過していても、時効は自動的には成立しません。ネガティブ情報を消す為には、時効援用をするしかないということは覚えておいて下さい。

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当事務所は時効による解決に早くから積極的に取り組んでいます。開業は平成15年、今年で13年目となります。
最終取引日より5年が経過している場合、時効により解決できる可能性が非常に高いです。当てはまる方は、経験豊富な当事務所にご相談下さい。

6月 20 2016

時効援用における、司法書士と行政書士の違い  時効(時効援用4)

よく、「司法書士と行政書士は何が違うの」という質問を受けます。どちらも「~書士」という名前なので混乱する方もいるのでしょう。今回は、この違いについて詳しく説明いたします。

まず司法書士の中に認定司法書士という資格があります。単なる司法書士と認定司法書士と、司法書士の中に2種類ある訳です。(当職は認定司法書士です)

認定司法書士とは、司法書士の資格を取得した後に、特別研修というものを新たに受講して全てを受講したことが証明されたら(遅刻・欠席は許されません)、認定試験を受けることが出来ます。そして、認定試験に合格した場合に認定司法書士を名のることが出来ます。

認定司法書士とは法務大臣から認定を受けた司法書士という意味で、具体的には簡易裁判所に係わる裁判業務や和解交渉などを弁護士と同様に出来る資格となります。

時効援用の場合に当てはめて説明すると、遅延損害金や利息を除いた元金のみの金額が140万円以内であれば、弁護士と同様に相手方と交渉したり、裁判所に答弁書を代理人として出したりすることが出来るのです。

私が依頼を受けた経験では、9割以上の時効援用の相談が「元金140万円以内」に収まっています。債権者の請求額が高額なのは、長年積み重なった遅延損害金や利息の額が大きいのであって、元々の元金は140万円以内であることがほとんどなのです。ということは、時効援用の依頼に関しては、ほとんどのケースで弁護士と同様に解決できることになります。(一般的に司法書士報酬は弁護士報酬よりも安いことが多いので、出来ることが同じならば司法書士の方が得になる確率が高いように思います)

また認定司法書士は代理人として活動できるので、相手方に通知を出した後、連絡を事務所に集中させることが可能です。依頼人は請求書の送付や督促の電話から解放されることになります。これはとても大きなメリットとなります。

一方、行政書士の場合は上記のように代理人として活動することは認められていません。司法書士のように認定試験の制度もありませんので、後から獲得することも出来ません。代理人ではないということは、債権者からの連絡を事務所にすることは当然できませんし、和解交渉を単独ですることも出来ません。

また、行政書士の場合、例え代理人ではなくても、裁判所に提出する書類の作成をすることも法律で禁じられています。ですから、時効なのに裁判に訴えられたケースで、行政書士に代わりに答弁書を書いてもらうことも出来ません(もし、やっている行政書士がいたら、それは違法です)。

このように司法書士と行政書士では名前は似ていても仕事の内容は随分と違います。こと時効による解決の依頼では、行政書士では出来ない事が多すぎますので、認定司法書士か弁護士に依頼するのが得策だと思います。(他の分野では、行政書士の方が適している分野も当然あります。それぞれに適している分野があるということです)

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当事務所は時効による解決に早くから積極的に取り組んでいます。開業は平成15年、今年で13年目となります。
最終取引日より5年が経過している場合、時効により解決できる可能性が非常に高いです。当てはまる方は、経験豊富な当事務所にご相談下さい。

6月 20 2016

時効では無かった場合はどうなる  時効(時効援用3)

時効が成立している場合、司法書士が時効援用通知を出したり、答弁書を出したりすると、債権者は反論してきません。理由は反論しても無駄だからです。法律の専門家を相手に、成立している時効を争っても、勝てる見込みは無いということを知っているからです。

ところが、たまに時効援用通知を出した後に債権者が反論してくることがあります。これは反論してもひっくり返せるだけの何らかの証拠を相手方が持っているということです。最も多いのが途中で裁判を起こされていて、相手方が確定判決や仮執行宣言付支払督促を持っている場合です。

実は依頼人が裁判を起こされていたことを全く身に覚えが無い場合があります。これは本当に忘れてしまっているのか、他の郵便物と一緒に間違えて捨ててしまっていたのか、あるいは自分のいない時に家族が受け取ってしまったというケースもあります。

いずれにしても相手が裁判所の書類を証拠として出して来たら、これは観念するしかありません。その場合、依頼はどうなるのでしょうか。

結論から言うと、ケースバイケースということになります。

依頼人が、ある程度の収入があり分割払いが可能だということであれば、分割払いの交渉を継続して担当することになります。長年放置されている場合は、高額の遅延損害金が追加されていることも多いので、損害金の部分に関しては減額交渉をします。分割回数を少なく設定すると、相手が減額に応じてくれる確率が上がります。(全ての債権者が減額に応じてくれるとは限りません)

依頼人に収入があまり無く分割が難しい場合は、依頼人のご希望があれば、個人再生や自己破産などの手続に移行することは可能です。あくまで依頼人の判断で決めて頂くことになります。l

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当事務所は時効による解決に早くから積極的に取り組んでいます。開業は平成15年、今年で13年目となります。
最終取引日より5年が経過している場合、時効により解決できる可能性が非常に高いです。当てはまる方は、経験豊富な当事務所にご相談下さい。

6月 20 2016

債権者からの通知は捨てないで  時効(時効援用2)

債権者からハガキや封筒などで様々な通知が送られてきます。ホームページでも各種通知について解説していますが、それらの通知には解決する為に有効な情報も記載されていることが多いです。だから、出来るだけ捨てずに取っておきましょう。

書かれている情報の中で最も重要なのは、①元の債権者はどこか、②いつから借りていて最後の取引はいつだったか、の2点です。これが分かれば時効による解決が可能かどうかが早い段階で判断できます。

もう既に捨ててしまったという方は仕方がありません。記憶を頼りにやってみることになります。ただ人間の記憶と言うのは、どうしてもあいまいな部分があります。やってみたら時効では無かったという場合も出てくる可能性はありますので、その点はご理解した上で、やって頂くことになります。

ただ、請求がしつこくて、やってもやらなくても、どの道支払わなくてはならないようだったら、可能性が少しでもあるなら時効援用を考えてみた方が良いでしょう。もし、時効が成立していたら、全く支払わないで解決できるかもしれない訳ですから。

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最終取引日より5年が経過している場合、時効により解決できる可能性が非常に高いです。当てはまる方は、経験豊富な当事務所にご相談下さい。

6月 14 2016

時効(時効援用)① 債権者への連絡はリスクがあります

債権者から請求の通知が来ると、その内容は、「受け取ったら、すぐに電話を下さい」、「このままだと法的手段を取ります。その前に連絡して下さい」、「今すぐ連絡してくれれば、分割や減額にも応じます」などと書かれていて、とにかく債権者に連絡をさせることを強調している場合が多いです。
これは何故かと言うと、債権者が「債務承認」を狙っているからです。

債務承認とは、「支払いの約束をする」「実際に支払いをする」などの行為があると成立します。債務承認があると、せっかく時効期間が経過していても振り出しに戻ってしまい、債務承認があった時点から再び時効期間がスタートします。(最後の支払いから5年間というのは、ここから来ています)

例えば、最後の取引から6年が経過している人は、このまま司法書士に頼んで時効の援用をすれば、支払義務は無くなります。しかし、司法書士に頼む前に債権者に連絡をして、そこで話をしているうちに、うっかり誘導されて支払いの約束をしてしまい、その会話を録音されていたとしたら、後で録音データを証拠として提出された場合、時効による解決が出来なくなる可能性があります。

債権者は債権回収のプロですから、あの手この手で債務者を誘導して、何とか債務の承認をさせようと試みるでしょう。一般の方が乗り切るのは、なかなか大変だと思います。だからこそ、債権者への連絡はリスクがあるのです。

せっかく時効が成立しているのに時効による解決が出来なかったとしたら、非常にもったいないことです。債権者から通知が来たら、連絡をする前に司法書士にご相談下さい。

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当事務所は時効による解決に早くから積極的に取り組んでいます。開業は平成15年、今年で13年目となります。
最終取引日より5年が経過している場合、時効により解決できる可能性が非常に高いです。当てはまる方は、経験豊富な当事務所にご相談下さい。

5月 12 2016

札幌債権回収の不当請求

≪どんな会社か?≫
消費者金融の未払い債権を債権譲渡で買い取ったり、あるいは、消費者金融から委託を受けて回収の代行を行ったりするサービサーです。サービサーとは法務大臣の認可を受けて債権回収を専門に行う会社のことです。認可が無ければ弁護士法違反の闇業者ということになりますが、札幌債権回収は認可を受けていますので、れっきとしたサービサーです。
請求された時は、元の業者の名前とは異なりますので、「身に覚えが無いところから突然、請求をされた」という印象を持ってしまう可能性があり注意が必要です。正式に債権譲渡がされていれば、架空請求ではないからです。

≪札幌債権回収の特徴≫
(1)CFJから移転した債権が多い
CFJは、ディック・アイク・ユニマットの3社が合併して出来た消費者金融です。合併後も上記3つの名前は商品名として残りましたので、利用していた人にはCFJという名称はなじみが薄く、自分が借りていたのはディック・アイク・ユニマットだという認識の人が多いかもしれません。このCFJの債権を譲り受けているケースが多いです。

(2)GEコンシューマーファイナンスから移転した債権が多い
GEコンシューマーファインスとは、レイクの名称で展開している消費者金融で、現在は新生銀行グループの新生フィナンシャルという業者になっています。利用していた人は「レイクから借りていた」という認識の人が多いでしょう。このレイクの債権も札幌債権回収に多数、債権譲渡されています。

(3)訴訟予告通知が送られてくることがある
札幌債権回収から「訴訟予告通知」という書類が送られてくる場合があります。この書類には、「不本意ながら〇〇簡易裁判所に訴訟を提起することに決定し、現在申立手続きの準備中です。このままお支払がない場合、債務名義取得後、強制執行(給与の差押等)が実行されることにもなりかねません」と記載されていて、大変なことになりそうだから早く連絡しなければという気持ちにさせられます。しかし、安易に電話をしてしまうと、相手方の誘導により「債務承認」をしてしまうことがあり、後で時効の援用に支障が出る場合があります。注意しましょう。出来れば電話をする前に専門家に相談することをお勧めしますが、もし電話をしてしまったら話した内容を専門家に伝えて意見を聞いてみましょう。

(4)実際に簡易裁判所を通じて支払督促の請求をしてくることがある
訴訟予告通知は単なるおどしではなく、本当に簡易裁判所に支払督促を申立てて請求してくることがあります。支払督促は債務者の住所地を管轄する裁判所に申立てる必要がありますので、あなたの近くの簡易裁判所の名前が記載された封筒で届きます。これは届いてから2週間放置してしまうと、債務名義を相手方に取られてしまいます。債務名義とは、強制執行(差押)が可能になる書類です。あなたの給料や銀行口座が差押を受けてしまうかもしれません。従って、支払督促が届いたら絶対に放置してはいけません。一刻も早く専門家に相談に行って下さい。

≪解決方法≫
最後の取引から5年以上が経過している請求が多いので、消滅時効が完成している可能性があります。5年以上、借入や返済が無く、裁判に訴えられたことも無いならば、法的に適切な方法で時効の主張をしましょう。尚、例え時効が完成していても債権者の請求は認められています。従って、法的にきちんとした方法で解決しないと、いつまで経っても請求が止まりません。裁判に訴えられる可能性もありますので注意が必要です。

方法1 :法律専門家の名前で時効援用通知を送る
まだ請求書が送られてきているだけの段階や、自宅に訪問されて、さすがに何とかしなくちゃいけない、と考えた方は、法律専門家の名前で時効援用通知を出してもらえば、ほとんどの場合で請求は止まります。実際に私が受けた依頼では、今のところ全てのケースで請求が止まっています。「どうも不安で、落ち着かない」という方は、検討してみて下さい。

方法2 : 訴えられたので、答弁書を出してもらう
裁判に訴えられた人は、放置して何も反論しないと、相手方の訴えが認められて裁判に負けてしまいます。こうなったら次には給料の差し押さえなどをされる危険性が高まります。ですから、裁判は絶対に放置してはいけません。指定された期日までに答弁書という名の反論書面を必ず出さなければなりません。(例え提出期限に遅れていても、法廷への出頭日までに出せば、認めてくれるケースが多いです。出頭日がまだならば、あきらめてはいけません)。 答弁書を書くには民事訴訟法における一定のルールがあります。また、内容も法的に整理されていることが望ましいので、司法書士か弁護士に頼むのが良いと思います。裁判は、間違った対応をすると取り返しがつきませんので、「自分でも出来るだろう」とは安易に考えない方が良いでしょう。実際に私が受けた事例では、答弁書を出してしばらくしたら、相手方業者から取下書(裁判を取り下げて止める)が送られてきます。相手方が「もう勝てる見込みがないから、あきらめた」ということです。

≪費用≫
(1)時効援用通知を出す   3万円
(2)裁判で答弁書を出す   5万円

☆上記費用には実費も含まれています。追加で実費を請求することはありません。
☆いずれの場合も成功報酬は頂きません。上記の定額費用のみです。

より詳しい情報をお知りになりたい方は、以下をクリックして下さい。
http://www.hashiho.com/sapporo/

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